5年に一度行われる「総務省発表 住宅・土地統計調査」では、札幌市内の賃貸アパート・マンションの入居している部屋は約83%、空室率は約17%という調査結果が出ています。
平成30年 総務省 住宅・土地統計調査 | ||||
エリア | 総戸数 | 空き室数 | 入居率 | 空室率 |
札幌市全域 | 446,400 | 76,100 | 83.0% | 17.0% |
中央区 | 73,470 | 14,680 | 80.0% | 20.0% |
北区 | 61,840 | 10,460 | 83.1% | 16.9% |
東区 | 70,520 | 11,620 | 83.5% | 16.5% |
白石区 | 64,920 | 11,670 | 82.0% | 18.0% |
豊平区 | 61,990 | 8,590 | 86.1% | 13.9% |
南区 | 18,530 | 4,100 | 77.9% | 22.1% |
西区 | 39,870 | 8,320 | 79.1% | 20.9% |
厚別区 | 25,930 | 3,370 | 87.0% | 13.0% |
手稲区 | 17,440 | 1,880 | 89.2% | 10.8% |
清田区 | 11,940 | 1,370 | 88.5% | 11.5% |
※2019年9月発表 |
札幌市全体の空室率は17%で実におよそ6室に1室が空いていることになり、札幌は全国に比べ1番入居率の悪い地域とも言われています。そのため、入居者を入れても入れても退去があり、満室になかなかならないのは物件が余っているからなのです。
そんな環境での今回の「新型コロナウイルス」です。
コロナ禍による景気後退で、家賃の減額を求められる大家さんも増えてきそうです。
では、どんな対策をしたらいいでしょうか。すぐにできることは2つあります。
まずは、入居者に公的支援制度の告知をすることです。
「住居確保給付金」などの“公的な家賃補助”や市区町村社会福祉協議会が行っている「生活福祉資金貸付制度」、日本政策金融公庫などの「新型コロナウイルス感染症特別貸付」といった公的支援制度の概要を、わかりやすく1枚の紙にまとめ、入居者のポストに入れておくといいと思います。
退去告知があってから制度を紹介するのでは遅いので、事前に入居者に知らせておくことが大切です。
もう一つは、「テレワーク環境を整える」ことです。札幌においても全国を網羅している法人の札幌支店でも
リモートワーク・テレワークしている事業所が沢山あります。新型コロナの影響で、自宅でテレワークをする人が増えました。この流れは止まることはないでしょう。インターネット回線を導入し入居者のインターネット代を無料にすることで、アパートの価値が高まります。退去者が出て新しく入居者を募集する際にも家賃を下げずにすみます。
アパートの価値を上げるという意味では「宅配ボックス」もOKです。在宅でウエブ会議をしている最中に宅配便がきても受け取れない。宅配ボックスがあるととても助かります。ただし、大幅なリフォームは避けたほうがいいと思います。今後しばらくは賃料下落が避けられないので、賃料が減っても耐えられるよう、手元の現金を増やしておくことが大事です。賃料が20%減少した場合にキャッシュフローが赤字になるような物件を持っている人は、早めに売却したほうがいいと思います。
私はバブルで大変な目にあった経験もあり、住宅ローンは固定金利にしていますが、投資物件はすべて変動金利です。なぜならば、インフレになって金利が上昇したとしても、不動産価格も上がるので家賃も上げられるからです。たとえ金利の上昇により返済金額が増えたとしても、家賃が増えれば問題ないはずです。
ただ、金利上昇と家賃上昇のタイミングは同じではありません。金利上昇の方が早く、家賃が上昇するまでには時間がかかります。そのため、家賃が上昇するまでの間、増えた返済に耐えられる体力が必要です。返済比率が高い人は繰り上げ返済をして下げておくか、手元資金を増やしておく必要があると思います。