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札幌みんなの不動産 ブログ32 あなたの住宅ローンは60歳までに完済できますか?

  • 2022.5.23

 

今回のブログは、高齢化が進む日本。住宅ローンも同様に完済年齢が高齢化の傾向にあります。60歳でローン完済できるのか、住宅ローンに関する統計データを見ながら、今回のブログでは解説します。また、60歳以降でも住宅ローンが組めるのか、シニア世代の住宅ローン事情についてもあわせて解説します。

  • あなたの60歳時の住宅ローン残高はいくらですか…? 60歳までに完済できますか…?

高齢化が止まらない日本ですが、住宅ローンでも同じ状況です。完済年齢が高齢化しつつあります。

定年をむかえるのは60歳ですが、ローン残高は一体どのくらいでしょうか。60歳で完済できているのでしょうか。

1.住宅ローンの平均残高は619万円

2.2000万円以上残る人も実は多い

統計データを見て意外な結果だと思う人がいるかもしれません。ではひとつずつ見ていきましょう。

平均は619万円

令和2年の調査(※)によると、60歳代の住宅ローン残高の平均値は619万円だそうです。

住宅ローン残高(万円) 割合(%)
50未満 1.8
50~100未満 0.9
100~200未満 4.4
200~300未満 1.8
300~500未満 8.8
500~700未満 6.2
700~1000未満 12.4
1000~1500未満 14.2
1500~2000未満 4.4
2000以上 3.5

1000~1500万円未満、700~1000万円未満、1000万円前後の金額で特に多くなっているようです。

60歳代でも、住宅ローン返済はまだ真っただ中という人も多く存在していることが統計データからも明らかになりました。

 

2000万円以上残る人も3.5%…

先述の調査結果において、500万円未満を合わせると17.7%、500万円以上を合わせると41.6%となり、60歳を超えた時点で500万円以上残っている人が非常に多いことがわかります。残高が2000万円以上残る人も3.5%いるという点も注目すべきポイントです。残高2000万円ということは、期間でいうと10年以上残っている人も多いのではないでしょうか。

「完済年齢高齢化」の背景には、住宅の購入金額が上がって住宅ローンが長期化したり、晩婚化などの理由で返済開始年齢が遅くなったりしているなどの理由が考えられます。いずれにしろ、60歳代ではまだ住宅ローン返済半ば、完済できていない人は非常に多いということがデータから明確になりました。

 

  • 60歳以降も新規で住宅ローンは組めるのか…?

60歳を超えて、住宅ローンを新規で組みたいというケースは実は多くなっています。

前の統計データで示したように、60歳代での住宅ローン残高は1000万円以上の人も多く、住居費を負担に感じているシニア層は一定の数いると思われます。そういった状況から、条件のよい住宅ローンに借り換えし、少しでも返済月額を減らしたいというニーズが高くなっているのです。

では、60歳以降でも新規で住宅ローンは組めるのでしょうか。

  1. ハードルは高いが組むことは可能

2.返済期間は「10年以上20年以下」

60歳以降の住宅ローンでは、いくつかポイントを押さえれば加入も不可能ではありません。

 

ハードルは高いが組むことができる…

60歳で住宅ローンを組めるかどうか…の二択で言えば可能ですが、60歳からの住宅ローンはハードルが高いのも事実。

若い世代で組むような金額や期間を想定すると、審査に通るのは難しくなります。障壁になるのはやはり年齢です。特に完済年齢がネックになります。返済開始年齢は65歳までや70歳まで、完済年齢は80歳の場合が多くなっています。

逆に言えば、借入期間や完済年齢を住宅ローンの要件に合わせれば、60歳からでも住宅ローンを組む可能性は出てきます。

通常の住宅ローン以外では、60歳以上を対象とした「リバースモーゲージ型住宅ローン」や、自宅を賃貸住居として切り替える「リースバック」という売却方法など、「シニア層に向けた住まいのスタイル」も登場しているので、ご自身の状況に合わせて比較検討してみるのもよいでしょう。「リバースモーゲージ型住宅ローン」「リースバック」については後程、解説します。

 

返済期間は「10年以上20年以下」

では、60歳からの住宅ローンでは返済期間をどう設定すればよいか考えてみましょう。

目安となるフラット35の利用条件では、申込み時の年齢が70歳未満、借入期間については満60歳以上の場合、10年以上となっています。このような要件をクリアしようとすると、おのずと下記のような返済計画となります。

・開始年齢:60歳~

・終了年齢:80歳まで

・借入期間:10年~20年

 

  • 60歳以降で住宅ローンを組むときのポイント

60歳以降で住宅ローンを組むには、10~20年の借入期間が目安となります。

60歳以降に住宅ローンを計画する際、借入期間の他に何がポイントになるでしょうか。

60歳という年齢だけでローン加入のハードルは高くなります。60歳以降で住宅ローンを組む際の具体的なポイントは一体何か、しっかり押さえてローン審査に備えましょう。

  1. 地価が下がりにくく買い手が見つかりやすい物件

 2.団信の審査に注意 

 

ではひとつずつ解説していきます。

地価が下がりにくいエリア・買い手が見つかりやすい物件

60歳で家を買うということ、そこが終の棲家になる可能性が高いです。つまり、購入時から売却を想定しておく必要があります。

シニアにも利用しやすい「リバースモーゲージ型住宅ローン」や「リースバック」の利用をふまえると、「売却しやすい不動産」ということが望まれます。ひとつには地価が下がりにくいエリアかどうかが重要になります。人口の増減や、近隣の駅、開発状況はどうかなど、将来の資産価値も見据える必要があります。また、買い手がみつかりやすい物件かどうかも押さえておきましょう。交通の便や、一般的で好まれる間取りかどうかなども購入時に留意するようにしましょう。

団体信用生命保険(団信)の審査に注意

住宅ローンは多くの場合、団体信用生命保険、通称「団信」への加入が必須になっています。団信とは、契約者にもしものことがあって途中で返せなくなっても、団信の保険金で残りの返済がカバーされるという生命保険です。

団信は生命保険なので、審査が必須となります。60歳というだけで健康面の問題があるとみられやすいため、その分団信の審査も厳しくなると思っておいた方がよいでしょう。

対策としては、団信に入らなくても利用できる「フラット35」を検討してみるのも一考です。

 

  • 60歳以降で住宅ローンを組むデメリット

60歳以降で住宅ローンを組むことは可能です。しかしそのデメリットは十分把握しておく必要があります。

すすめられるまま住宅ローンに入って、あとで後悔してしまっては元も子もありません。人生の終盤、軌道修正しにくい世代です。周りに迷惑をかけないよう現実的なマネープランを組みたいものです。一体どういうリスクがあるのか、まずしっかり頭に入れた上で、住宅ローンの加入を検討していくようにしましょう。

 

★住宅ローンが払えなくなると負債だけが残る…

60歳で住宅ローンを組むと、当然のことながらローンの終盤はさらに年齢を重ねています。

仮に借入期間を10年とすると、完済年齢は69歳、20年借り入れると完済するのは79歳になります。

返済できなくなるリスク」は、若い頃よりも高くなります。病気になって働けなくなる。働けなくなって収入が低くなる。住宅ローンを払うことができなくなると負債だけが残ってしまいます。負債が残ると、家を売ってローン返済に充てることになります。せっかく買ったマイホームも売却を余儀なくされます。すぐに売却できればよいのですが、なかなか売れないこともあるでしょう。地方などでそれほどニーズがないような地域では、売却が難しいケースも出てきます。60歳を超えて住宅ローンを組む場合、売却を視野に入れた上で売りやすい物件を選ぶことも忘れてはならないポイントになります。

 

  • リバースモーゲージ型住宅ローンとは…

リバースモーゲージ型住宅ローン。この言葉をまだ知らない人は多いかもしれません。

1.60歳以上を対象、様々な目的で使用できる…

2.一般的なリバースモーゲージとの違い…

3.債務が遺族に引き継がれないノンリコース型…

4.変動金利が多く金利が高め…

 

高齢者を対象にしている「リバースモーゲージ住宅ローン」について解説していきます。

①60歳以上を対象にした様々な目的で使用できる住宅ローン

リバースモーゲージ型住宅ローンは、シニア世代にも入りやすいよう設計された住宅ローンです。

端的に言うと購入した家・土地の不動産を担保に融資を受けられる住宅ローンです。

家の購入や増改築のほか、住宅ローンの借り換えとしても利用することができます。転職や定年により収入が減り、住宅ローンの返済が厳しくなってきた場合、リバースモーゲージ型住宅ローンを借り換えの選択肢に入れるケースも多くなっています。

一般の住宅ローンでは、月々「元金+利息」を返済しますが、「リバースモーゲージ型住宅ローン」では、毎月利息のみ返済し、

メインの借入金(元金)は利用者が亡くなったときに担保の不動産を売却することで返済する点が異なります。

「元金を最後に一括返済する…」という点が一般の住宅ローンと逆になることから「リバース(逆)モーゲージ(担保・抵当)」と呼ばれているそうです。

一般的なリバースモーゲージとの違い

住宅ローンではない「リバースモーゲージ」という融資商品もあります。リバースモーゲージとリバースモーゲージ型住宅ローンは異なる商品となります。不動産(自宅)を担保に借入金を受け、借入人が死亡時に自宅を売って借入金を返済する、という原則は変わりません。

異なる点をまとめると下記のようになります。

 

 

 

項目 リバースモーゲージ リバースモーゲージ型住宅ローン
返済方法 生存中は利息のみ

金利を残債に組入れできる場合もある

生存中は利息のみ
借入金用途 生活費(用途に制限なし) 住宅に関する費用
債務の引継ぎ 完済できなかった場合、債務は遺族に ノンリコース型では遺族に引き継ぎなし

このように少しずつ異なる点がありますので混同しないように注意しましょう。

 

債務が遺族に引き継がれないノンリコース型もある

リバースモーゲージ型住宅ローンには、

リコース型

ノンリコース型

 

の2種類があります。リコースとは専門用語で「遡及(さかのぼる)」という意味です。ノンリコース型は非遡及型と呼ばれることもあります。リバースモーゲージ型住宅ローンでノンリコース型を選ぶと、債務が遺族に引き継がれません。ローンを遺族に相続させたくないと思っている方は多いと思います。その場合、ノンリコース型を検討するのも一案です。

リコース型・ノンリコース型の違いについて一覧にしてみましょう。

項目 リコース型 ノンリコース型
融資先 人(借主)に対して 不動産物件
審査 借主の返済能力 物件の収益力厳しめ
金利 低い 高い
借入期間

融資額

長い

上限は借主の収入となる場合が多い

短い

高い

連帯保証人 必要 原則不要
特徴 返済ができなくなっても返済し続ける必要あり 返済不能になったら物件を引き渡せば返済義務はなくなる

ノンリコース型は遺族に債務を残しませんが、審査の厳しさ、借入期間などリコース型に比べてデメリットとなる部分も多くなります。内容を十分把握してから検討することをおすすめします。

 

変動金利が多く金利が高め

ノンリコース型は、借主からすると融資条件が不利になります。担保を不動産物件だけに限定するため、金融機関は不動産の売却だけで貸付金を回収しなければならないというリスクを持っているからです。たとえばノンリコース型で7000万円の融資を行うとします。借主が亡くなった場合、物件を売却しますが、5000万円でしか売れなかった場合、金融機関は差額2000万円を回収することができません。もちろん貸付時にしっかり査定はしますが、不動産の価値というのは、上がることもあれば下がることもあり、金融機関にとってノンリコース型というのは非常にリスクのある融資スタイルなのです。

金融機関側はそのリスクを補うため、ノンリコース型では変動金利で金利が高めとなることが多くなっています。

 

  • 「リバースモーゲージ型住宅ローン」のメリット・デメリット

「リバースモーゲージ型住宅ローン」は、元金を不動産の売却金で一括払いするというのが特徴で、それにともなった

メリット・デメリットがあります。

  1. メリット:毎月の支払いは利息のみ
  2. デメリット:対象エリアが限定

3.デメリット:担保評価下落で一括返済を求められることも…

 

うまい話だけではなく、悪い面もきちんと把握した上で検討していくことが大事。それでは長所・短所それぞれ解説していきます。

メリット:毎月の支払いは利息のみ…

リバースモーゲージ型住宅ローンが一般の住宅ローンよりもメリットとなるのが、毎月の返済金額です。

タイプ 毎月の返済
一般の住宅ローン 元金+利息
リバースモーゲージ型住宅ローン 利息のみ

リバースモーゲージ型住宅ローンは、元金は利用者が亡くなったときに不動産を売りそのお金でまとめて返済し、それまでは毎月利息だけを支払うかたちなります。毎月の支払いに元金が含まれませんので、支払い月額を低くおさえることができます。

ただし、リバースモーゲージ型住宅ローンの多くは変動金利となるため、金利が上がるとその分支払い額は増えていきます。

金利上昇時のリスク対策は必要となるでしょう。

デメリット:対象エリアが限られている…

リバースモーゲージ型住宅ローンの大きな特色として、契約者の亡くなったときに不動産物件(自宅)を売って借入金(元金)を一括返済する点があります。そのため売却する家や土地が、借入金額に見合う必要があります。十分な売却代金を確保するため、都市部の不動産物件に限定する金融機関もあります。一方で、対象エリアを全国としている金融機関もあります。

リバースモーゲージ型住宅ローンの対象になるかどうかは、金融機関により異なりますので、対象エリアについてもしっかり確認するようにしましょう。

デメリット:担保評価が下がると一括返済を求められる可能性がある…

リバースモーゲージ型住宅ローンでは、提供する担保は、自宅になります。購入した家・土地を担保に借入をします。

貸付限度額については、金融機関の多くは担保評価額の5、6割を上限としています。

担保評価、つまり家や土地の評価は、毎年見直しされるのですが、その評価額(貸付限度額)が借入金額よりも下がってしまった場合、超過分の一括返済を求められる可能性があります。金融機関にとっては、担保は不動産物件のみであり重要な生命線です。継続的に担保評価を行い、万が一評価が下がれば借主に一括返済を求めてリスク回避をはかります。

リバースモーゲージ型住宅ローンでは、担保評価額下落のリスク対策が必要であり、価値の下がりにくい物件選びが非常に重要になってきます。

 

  • リースバックとは…? メリット・デメリットを紹介

不動産契約のひとつにリースバックという形態があります。60歳以降の高齢者にすすめられることも多いリースバック。

一体どのようなしくみなのでしょうか。

  1. 不動産売買・賃貸借契約がセットの売却方法…

2.メリット:節税になる…

3.デメリット:毎月の家賃を払う必要あり…

4.デメリット:更新のとき貸主と借主の合意が必要…

 

不動産売買契約と賃貸借契約がセットの売却方法…

リースバックとは、不動産物件を売る手法のひとつです。

1.自宅を売却し、資金を得る(不動産売買契約)

2.運営会社から自宅を賃貸物件として借り、家賃を払いながら同じ物件に住み続ける(賃貸借契約)

 

自宅を売ってしまうので、オーナーは、ご自身から運営会社に変わりますが、その会社から賃貸借契約をむすぶので、そのまま

住み続けられるというわけです。リースバックは住宅ローンが残っていても利用可能なので、住宅ローンの返済から賃貸住居への家賃支払いへシフトさせることも可能。同じ家に住み続けられるため、近所の目を気にすることなく自宅を売ることができます。

 

②メリット:節税になる

家や土地を持っていると、持っているだけで税金がかかります。固定資産税です。固定資産税の計算式は下記のとおりとなります。

・固定資産税 = 評価額 × 1.4%

仮に評価額が2000万円とすると、固定資産税=2000万円×1.4%=28万円

固定資産税は年間28万円にものぼります。

自宅を持っているあいだは固定資産税の納税義務がありますが、リースバックで自宅を売却すると納税は不要となります。

他にも都市計画税なども不要となりますので、費用節減につながると言えるでしょう。

 

デメリット:毎月の家賃を払う必要がある…

リースバックでは自宅を売却してしまうため、その代わりに毎月家賃を支払わなければなりません。仮に、

・30歳~60歳:住宅ローン月々返済

・61歳~65歳:住居費なし

・66歳時:リースバックで自宅売却、家賃払い開始

 

このようなケースがあったとします。60歳で住宅ローンを完済、61歳から65歳の5年間は住居費の支払いが不要でした。

しかし66歳でリースバックしたため、それまでかからなかった住居費が再び必要となります。

自宅を売ったお金でその後の家賃をすべてカバーできるのか、それ以外の収入で補うことができるのか。住居費は家計の中でも

大きな金額となりますので、マネープランをしっかり練りなおす必要があるでしょう。

 

デメリット:更新のとき貸主と借主の合意が必要となる…

自宅を売ったあとも慣れた家に住み続けられる。これはリースバックの大きなメリットですが、注意すべきポイントは賃貸期間。

リースバックでは多くの場合、定期借家契約で締結されます。

定期借家契約では契約期間が延長できません。契約期間が終了すれば、契約解除となり、それ以上その家に住むことはできません。同じ家に住みたい場合、再び契約をしてもらうよう依頼する必要がありますが、必ずしも再び契約できる保証はありません。

契約期間が更新可能な普通借家契約も選択肢に入れている運用会社も中にはあります。長く住み続けたい人はリースバックの契約前に、定期借家契約なのか普通借家契約なのか必ず確認するようにしましょう。

 

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